各地方の最高峰をご紹介していく第五弾は、「日本の屋根」とも呼ばれる日本アルプス(飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈)を携える中部地方です。今回の8県最高峰の中では日本の標高ランキングで3位~5位の峰も一挙にご紹介いたします。
日本三名山のうち「二座」もランクイン
古くは「日本三霊山」、近年ではスポーツとしての登山が普及したため「日本三名山」とされているのが、富士山、白山、立山です。中部地方には日本アルプスだけでなく、これらの山岳も在ることから、日本での登山において代表的な地方だといえるでしょう。
なかでも長野県、岐阜県、静岡県にはここでは紹介できない魅力的な山も数多くございます。日本百名山に数えられる福井県の荒島岳もその一つです。そんな「山岳が豊富」な地方で、栄えある「各県一位」となった峰々をお楽しみください。
〔33/47〕新潟県第一位は長野県「白馬岳」のお隣
小蓮華山 2,766m
新潟県の最高峰は以外にも「北アルプス北部」に在ります。後立山連峰の主峰である「白馬岳」から僅かに北、白馬大池との間に聳える峰です。新潟県というと谷川連峰や越後三山、妙高高原など名だたる山岳が名を連ねているため、新潟県最高峰と聞いて思い浮かべる方は多くないかもしれません。
〔34/47〕日本第三位の高峰を長野県最高峰に
奥穂高岳 3,190m
登山者の憧れ「穂高連峰」の最高峰、奥穂高岳を長野県NO1としました。この峰は岐阜県と山頂を分かちますが、長野県側(上高地)からのアクセスが最もよく用いられるため本記事では長野県としてご紹介。
秋には紅葉の美しい涸沢が有名ですが、前穂高岳と縦走する吊尾根(岳沢)や、上級者向けのジャンダルム(3,163m)への挑戦など、そのバリエーションは様々です。
〔35/47〕静岡県"も"日本第三位がランクイン
間ノ岳 3,190m
一般にはあまり知られていない事実ですが、日本第三位の標高は北アルプスにある長野県の奥穂高岳と、南アルプスにある静岡県の間ノ岳が「同着」となっています。山梨県と山頂を分かちますが、関東地方編 にて山梨県最高峰は日本第二位の「北岳(3,193m)」をご紹介。
もともとは3,189mとして日本第四位と言われていましたが、2014年の国土地理院による標高改定で"昇格"しました。魅力的な山岳にも関わらず、白峰三山(農鳥岳、間ノ岳、北岳)の真ん中に位置することから「あいだのたけ(あいのだけ)」と地味な名称を名付けられてしまった一座です。
〔36/47〕日本のマッターホルンは岐阜県最高峰として
槍ヶ岳 3,180m
登山をしない人にまでその名が轟く「槍ヶ岳」は、もはや説明不要の名峰です。北アルプスのどの稜線からもひと際目立つその山容は、眺めているだけでも心が躍るもの。長野県との県境に位置しますが、奥穂高岳を「長野県一」としたため、槍ヶ岳を岐阜県最高峰としました。
意外と知られていないのがその標高で、実は日本第五位の高さを誇ります。富士山と北岳の間に約600mの標高差があるのに対し、北岳から槍ヶ岳(2位~5位)の差が僅か13mなのは驚きです。この写真、山頂左隣の突起がアルプス一万尺で登場する「こやり(の上で)」で3,030m。
〔37/47〕富山県は日本三名山「立山」の最高峰
大汝山 3,015m
『雪の大谷』で有名な立山黒部アルペンルートで、2,450mに在る最高点の「室堂」へアクセスし、そこから登ることの多い立山。「先に着く山頂」の雄山(3,003m)で折り返すと、最高点の大汝山が踏めないため注意が必要です(ふつう、立山に登るとは雄山に登ると同義)。
室堂ターミナルから少し北西に歩くと「みくりが池温泉」へたどり着きます。ここから眺める立山は圧巻で、更に"日本一高所の天然温泉"を楽しむことができるため、立山登山の際には是非訪れたい名所です。
〔38/47〕石川県の名峰「白山」の主峰
御前峰 2,702m
石川県の最高峰は、立山と同じく「日本三名山」の一つ白山。山頂台地は広く、点在する火山湖と咲き乱れる高山植物が目を楽しませてくれます。時間に余裕があれば山頂台地を散策し、大汝峰(2,684m)へ向かうと良いでしょう。御前峰とはまた違う「静かな白山」を楽しむことができます。
どの登山口から山頂を目指しても、10時間強の登山時間となるためスケジュールに余裕を持ち、山上で一泊のスケジュールを取ると良いかもしれません。この山の周囲に他に大きな山がないため、天候に恵まれれば格別のご来光を楽しめます。
〔39/47〕福井県は最高点と最高峰が異なる
願教寺山 1,691m
ご紹介する願教寺山は石川県最高峰の白山から南に延びる稜線上、岐阜県と福井県の県境に位置する「最高峰」です。しかし「最高点」はその稜線上(白山と願教寺山の間)にある「白山三ノ峰」の近く、「越前三ノ峰(2,095m)」の看板が設置されています。
願教寺山は山頂までの登山道がなく、頂上へ行くには藪漕ぎが必要な「深山」のため、一般的には「雪が積もっている時期」にピークを目指すことになります。難易度の高い登山となるため、"福井県最高峰"を目指す場合、比較的簡単な「越前三ノ峰」をチョイスするのも一つの選択肢といえるでしょう。
〔40/47〕愛知県唯一のスキー場がある茶臼山"高原"
茶臼山 1,415m
愛知県の最高峰は、この地方では「低山」に感じる天竜奥山河国定公園の茶臼山。標高1,200mの茶臼山高原の上「山の上の山」で、豊富なハイキングコースが整備されています。短時間で至ることのできる山頂からは、南アルプスの峰々が望め、「気持ちのいい観光地」という表現が適切かもしれません。
中部地方の名だたる名峰に挑戦しよう
第五弾の中部地方編、いかがでしたでしょうか。この地方の各県最高峰は「登山経験や体力」が登頂に求められる峰が多いため、目指す場合には十分なトレーニングや調査・計画を行うようにしてください。
特に高山では急変する天候や、下界とは異なる環境への対応も重要です。雪の少ない「夏」が第一候補になりますが、地表が温められる夏は上昇気流で山の上に積乱雲ができやすいため、「早立ち」が鉄則です。専門家へのサポート依頼も視野に入れ、充分な準備で「素晴らしい日」としてください。
※新型コロナウィルス感染症の蔓延状況に依って、営業を停止している山小屋や交通機関もございます。各自治体の発表する最新情報などを適時収集し山行計画を行うようにいたしましょう。
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5 レスポンス
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