各地方の最高峰をご紹介していく第四弾は、中国地方と四国地方を合わせた9県についてみていきます。西日本最高峰の石鎚山を擁する愛媛県や、一部で日本四名山の一座と論じられる大山の在る鳥取県のなど、日本の山岳をみていく際には存在感の大きな地方だといえるでしょう。
宮島や秋吉台など、山岳に関わる一大観光地も
厳島神社のある広島県の宮島は「海」のイメージが強いですが、その山中にはロープウェイがあり山頂(弥山/535m)まで登山が可能です。ロープウェイを使わなければ海抜0mからスタートのため、それなりの標高差を楽しめ、山頂からは瀬戸内海が一望できる素晴らしい山です。
また、広大なカルスト台地で有名な山口県の秋吉台は、その標高こそ高くないものの中国地方で「山の観光地」というと、真っ先に思いつくのではないでしょうか。今回はそんな中国地方の中でも人里離れたご当地最高峰や、四国の各県で存在感を放つ名山について確認していきます。
〔24/47〕岡山県最高峰は中国山地東部にある歴史的信仰の深い一座
後山 1,344m
後山(うしろやま)は氷ノ山後山那岐山国定公園の一部で、兵庫県との県境に位置します。山頂部は岡山県に位置しますが、関西地方編でご紹介した兵庫県最高峰の氷ノ山よりも標高は低く、兵庫県側から呼称される板場見山(いたばみやま)としては兵庫県で三位の標高です。「西大峯山」と呼ばれるほど修験道として栄えたため、「行者コース」という登山道も使われています。
〔25/47〕日本四名山に数えられる中国地方最高峰は"鳥取県の"大山
伯耆大山 1,729m
関東近辺で登山を楽しむ方が大山と聞いて思いつくのは丹沢大山(おおやま)でしょう。同じ表記で別の読み方をするため、鳥取の大山は地名を冠し伯耆大山(だいせん)と呼ばれます。独立峰であるこの峰は、その存在感の大きさから「伯耆富士」「出雲富士」と称されるなど、地域に愛された一座です。大山寺から進入が許されている最高点である弥山(1,709m)まで整備された夏山登山道は多くの人に楽しまれています。
〔26/47〕島根県最高峰は広島県と山頂を分け合う山岳観光地
恐羅漢山 1,346m
恐羅漢山(おそらかんざん)では夏は軽登山、冬はスキーやスノーボード、スノーハイキングと、一年を通してアクティビティが楽しまれています。冠山山地に在る双耳峰で、比較的短い時間で山頂に到達できるコースもあるため登山入門におすすめの山だといえるでしょう。山頂裏側の台所原には、20mを超えるブナなどの「巨木の森」があり、自然の雄大さが感じられます。
〔27/47〕広島県一位は恐羅漢山に次ぐ三県分水嶺
冠山 1,339m
広島県の冠山(かんむりやま)も、他地方の同名称の峰と区別できるよう「吉和冠山」や「安芸冠山」と呼ばれます。広島県の最高峰は先に紹介した「恐羅漢山」ですが、本記事では島根県の最高峰としてご紹介したため、「冠山山地」の山地名にもなっている冠山を広島県の最高峰といたしました。冠山は島根県に加え山口県の県境にも近く三県の分水嶺となっています。
〔28/47〕秋吉台で有名な山口県の最高峰は県東に位置する「滝と水の名所」
寂地山 1,337m
広島県の最高峰としてご紹介した冠山から縦走すること1時間で、山口県最高峰の寂地山へ至ることができます。冠高原松ノ木峠の登山口から日帰りで冠山、寂地山を踏むこともできるでしょう。しかし寂地山への登山は人気景勝地である麓の犬戻し峡を経るルートが人気。寂地峡とも称され「滝」と「水」の名所として知られています。
〔29/47〕愛媛県最高峰は西日本一、日本百景にも数えられる絶景を堪能したい
石鎚山 1,982m
日本七霊山、日本百名山など様々な一覧に選出され、まさに四国を代表する山岳の石鎚山は登山内容も魅力的です。太く長い「鎖」を確保に用いる「鎖場」が有名で、登山熟練者が楽しめるコースがある反面、石鎚神社までのロープウェイや鎖場の迂回路など、登山初級者にも楽しめる配慮がされています。
〔30/47〕讃岐と阿波の1,000m級が香川県の最高峰
竜王山(阿波竜王) 1,060m
竜王山には、香川の「讃岐うどん」や徳島の「阿波踊り/阿波尾鶏」で知られる地名を冠する1,000越えのピークがいくつか点在します。その最高峰は阿波竜王と呼ばれ、香川県及び讃岐山脈の最高峰です。山頂直下に駐車場があるため「登山」とは呼びづらい時間で登頂が可能。往復1時間ほど足を延ばすと讃岐竜王にも登頂できるため、登山・ハイキングを楽しみたい方は合わせて目指すと良いかもしれません。
〔31/47〕初心者でも楽しめる日本百名山が徳島県の最高峰
剣山 1,955m
剣山は四国山地東部の一座で、その標高は石鎚山に続き「西日本二位」の高さを誇ります。2,000m級ですが、登山リフトが整備され初心者でもハイキングが楽しめる名山です。「つるぎ」と言えば、北アルプスの「劔岳」を思い浮かべる方が多いと思いますが、四国の「つるぎ」も是非合わせて覚えておきたいところ。山頂直下にある大剣神社大剣岩が山名の由来とされている説もあるそうです。
〔32/47〕高知県一は稜線の景色が美しい四国を代表する名山
三嶺 1,894m
三嶺(みうね)は高知県と徳島県の県境に位置し、先にご紹介した剣山から西へ10kmに位置します。同じ四国山地で剣山と稜線を共有するため、テント泊での縦走登山を計画される方も多くいます。徳島県側の名頃から山頂を目指すコースは短い時間で登頂が可能ですが、急登となるため登山初心者は気を抜かないように注意したいところです。
西日本の美しい景色を楽しもう
第四弾の中国/四国地方編、いかがでしたでしょうか。日本百景や日本四名山、日本百名山に含まれる場所も在るため、どこかでその名前を聞いたことがある山岳もあったかもしれません。
日帰り登山から縦走登山まで様々な楽しみ方を選べるのも魅力の一つ。今回ご紹介した山岳は(登山口までのアクセスを除き)、短時間の登山で山頂へ至れる峰も多いため、是非登頂を目指してみてはいかがでしょうか(※)。
※登山時期や登山経験、目的に合わせ、無理のない計画で素晴らしい景色を楽しんでください。登山口までのアプローチは、各自治体の発表する最新情報を収集するようにしましょう。
2020年8月23日更新 関東地方編 はこちら
2020年12月27日更新 九州地方編 はこちら
2021年2月14日更新 関西地方編 はこちら
2021年6月13日更新 中部地方編 はこちら
2021年8月1日更新 東北地方・北海道編 はこちら
4 レスポンス
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