私たちの住む日本には最高峰の富士山をはじめ、多くの3,000mを超える山があります。
ネット上で「日本 標高 ランキング」や「日本百高山(※)」などと調べると、どうやら多くのランキングでは『日本の3,000m峰は21座』と出てくるのですが、実際に登ってみて「26座あるよね?」「いやいや27座あるよね?」と思った方も少なくないはず。
そこで「本当は何座の3,000m峰があるの?」を調べてみました!
21座のランキング
まず「よく出てくる」とした21座の3,000m峰は以下の通りです。
1. 富士山 3,776m
2. 北岳 3,193m
3. 奥穂高岳 3,190m
3. 間ノ岳 3,190m
5. 槍ヶ岳 3,180m
6. 悪沢岳 3,141m
7. 赤石岳 3,120m
8. 涸沢岳 3,110m
9. 北穂高岳 3,106m
10. 大喰岳 3,101m
11. 前穂高岳 3,090m
12. 中岳 3,084m
13. 荒川中岳 3,083m
14. 御嶽山 3,067m
15. 塩見岳 3,052m
16. 西農鳥岳 3,051m
17. 南岳 3,033m
18. 仙丈ケ岳 3,033m
19. 乗鞍岳 3,026m
20. 大汝山 3,015m
21. 聖岳 3,013m
その他の山岳の明確な除外理由は不明
上記のリストの出典ですが、多くのページに「国土地理院の標高一覧を参考に」と記載されているため、実際に国土地理院のHPを見てみました。すると、該当のようなリストは2025年現在見つからず、代わりに「標高3000mから3500mの山」というページがありました。
このページを確認したところ、既にここに「22座」が記載されており、3,500m以上である富士山を含めると「23座」あることがわかります。
なお、前述のリストに含まれていませんが、このページに記載がある山は以下の2つ。
22. 荒川前岳 3,068m
23. 農鳥岳 3,026m
このリストについても「日本の主な山1003山」の中から記載したものと注釈があり、これが全てではないことがわかります(日本山名総覧によると日本の山は1万6千座以上あるとされています)。
他、更に情報収集を進めると、以下の山岳は「最初の21座から"主峰の付属の山"として除外」しているという記載もありました。
24. ジャンダルム 3,163m
25. 小赤石岳 3,081m
26. 中白根山 3,055m
27. 塩見岳西峰 3,047m
28. 雄山 3,003m
こう数えると「全部で28座ある」ことが分かりますが「21座や27座あると言われており、これは"山名を座と数えるか峰と数えるか、複数の峰を持つ山を総括してひとつの山として捉えるか、個々の峰も著名なものはひとつの山としているかなど、考え方や数え方によって異なります。"」の説明文はいまいちピンときません(その定義でいうと「塩見岳は東峰・西峰で分けずに1座だよね」は分かる気がしますが、結論が21座か27座かではない気がしますね…)。
「山岳専門誌が21座28峰としている」という説明文も出てきますので、けっきょく21座という情報が多いのは「有名なメディアがいったから」が一番の理由かもしれません(調べが足りてないだけで、明確な理由があれば是非教えてください!)。
決定版「26/27座」の3,000m峰
さて、ここまで各リストを確認してきましたが、当協会の結論としてはこちら。
① 27座… 塩見岳の東峰・西峰だけは「同山岳名」の1座として、他は"付属の山"の線引きが難しく含める
② 26座… 一般登山リストとして「ジャンダルム」は省く、3,000m峰踏破に向けて(せっかくなので21座といわず沢山登りましょう!)
※ どちらでコンプリートとするかは、登山スタイルや安全性を鑑みて活用してください!