日本アウトドアトレーニング協会の提唱する「アウトドアトレーニング」は、野外で行うスポーツやアクティビティそのものが"良いトレーニング"になるという意味を含んでいます。
今回は「野外(アウトドア)」で活動することが、心身にどのような影響を与えるのかをご紹介します。様々な学会や研究者が発表している論文をもとに「身体への好影響」「精神への好影響」「野外での運動における留意点」について解説していきます。
アウトドアが身体に与える好影響
日光暴露によるビタミンDの産生促進
カルシウムやビタミンDの栄養素が十分でない人にとって、骨粗鬆症や骨折の予防が期待できます。
気温の変化に伴う身体の反応
高温時には心拍数の増加、皮膚温度の低下時には遅筋繊維の優位な筋力増強効果が期待できます。それぞれの環境下で適切な運動処方ができる場合、より効率的な運動効果が得られるでしょう。
ウォーキングやランニングの効果性
屋内で行う時、殆どの場合で用いられるルームランナー(トレッドミル)では、野外での通常歩行や走行に比べ、至適速度及び下肢筋活動が低下すると報告されています。そのため、野外での歩行や走行が屋内で行う場合に比べ、相対的に効果的だと考えられます。
アウトドアが精神に与える好影響
自律神経系への影響
- 山中の視界が開けた景観
- 森林や緑地散策、及びその画像・映像や景観
- 視覚情報による自然度
上のような場面では、リラックス効果(ストレス緩和効果)が得られるとされています。多くの研究で拡張期及び収縮期の血圧変化率や皮膚温度の変化率などに優位な変化が起こることが確認されています。
野外での運動における留意点
野外での運動では、心身に良い効果を得られる反面、気を付けたい注意事項もあります。十分な配慮を行う必要があるでしょう。
過度な気温の変化への対応
高温時には熱中症、低温時には低体温症に注意が必要です。また脱水症状などにも気を配るべきでしょう。
紫外線暴露への対策
日光は身体へ好影響を与える反面、紫外線など肌などに悪影響を及ぼす要素もあります。野外での運動時には十分な紫外線対策を行うべきだといえます。
二酸化窒素や大気汚染物質
二酸化窒素が運動効果に悪影響を及ぼすという研究成果は見当たりませんが、同時に「今後さらなる検証が必要」ともされています。都心など不快感の強い野外環境を避けるとより良いかもしれません。
アウトドアの資格を取ろう!
野外での運動を望む人は、直感的にその効果を感じていることが多いでしょう。その良い側面と注意すべき事項を把握し、適切に活用していくことが大切です。
日本アウトドアトレーニング協会では野外での運動がより楽しく、効果的に行われるために「アウトドアトレーナー」の認定を行っています。今までに指導経験がない方でもチャレンジできますので、"野外活動の専門家"になることを、ぜひ検討してみてください。
日本アウトドアトレーニング協会で取得できる資格の一覧は こちら