2020年12月は強い寒気が流れ込み、日本海側では記録的な大雪になりました。冬型の気圧配置が強まると、太平洋側では晴れた日が続くものの気温はぐっと下がり、厳しい寒さとなります。
ランニングやマラソンは「冬のスポーツ」と呼ばれますが、寒い日には外に出るのが億劫になり継続性が損なわれてしまうこともありますね。今回はそんな時に背中を押してくれる「寒い日にランニングやマラソンを行うべき理由」について解説していきます。
冬の低い気温は持久系の筋力増強に好影響
ランニングやマラソンは長時間、力を発揮することが求められる「持久系」の運動に分類されます。
ある研究で皮膚温度の低下時には遅筋繊維(筋肉のうち、長時間の筋発揮を得意とする線維)の優位な筋力増強効果が報告されていることから、冬は筋持久力を向上させるのに適切な季節だといえるでしょう。
寒い日にランニングやマラソンを行うべき一つ目の理由は「筋肉」の効率的な持久力向上が期待できることだといえます。
熱中症や強い紫外線などのリスクが低下
ランニングやマラソンが「冬のスポーツ」とされているのは、夏の高い気温や強い日差し、高い湿度などが起因する危険性(※)が軽減されるからです(※ この3つの数値から計算されるWBGTという指数は熱中症の発生リスクと相関があるとされています)。
また太陽光に含まれる紫外線量が、夏に比べて冬は1/2程度の量とされていることも重要な点だといえます。但し、雪のある場所では照り返しによる紫外線量の増加が起こるため注意が必要です。
寒い日にランニングやマラソンを行うべき二つ目の理由は「暑さ」によるリスクが低いことだといえるでしょう。
寒い日に行うランニングやマラソンでの注意点
「筋肉」の効率的な持久力強化が期待できることや、「暑さ」によるリスクが軽減されるという利点がある反面、冬のランニングには注意事項もあります。以下の点には注意して日々のランニングに取り組むと良いでしょう。
・喉の渇きづらさから起こる脱水症状
冬場のランニングでは発汗量の少なさから「喉が渇きづらい」ため、運動による体水分量の低下に気づくのが遅くなる恐れがあります。2020年~2021年はランニングマスクやネックゲイターを着用されている方が多いと考えられるため、更に喉の渇きを感じづらくなるでしょう。
喉が渇いていなくても「距離」や「時間」を目安に、こまめな水分補給を心がけて走るようにしてください。
・運動前には入念なウォーミングアップを
ウォーミングアップとは、その名の通り身体を「温める」こと。プロスポーツの世界でも夏に比べて倍程度の時間を準備運動に使うなど、外気温への適応は重要視されています。
身体が温まると筋肉や関節は滑らかに動くようになるため、ウォーミングアップを長く行うことで怪我のリスクなどを軽減できるといえるでしょう。
なお、一般的にイメージされるストレッチ(静的ストレッチ)はウォーミングアップに"適していない"といわれていますので注意が必要です。ウォーミングアップ時には「動的ストレッチ」を取り入れるようにしてください。
・休憩時や運動後の冷え
走っている時には体芯温度が高まり「寒さ」に対して抵抗がありますが、休憩時などに急速に身体が冷えてしまうのが冬の特徴です。特に汗で衣服が濡れていると、体温を奪う速度が早く低体温症を発症する恐れも出てきます。
休憩時間を長くとりすぎないことや、運動後のクールダウンを暖かい室内で行うことでリスク回避をするようにしていきましょう。
さぁ、ランニング・マラソンの季節です!
マラソン大会などが軒並み中止となっている時勢ですが、ランニングに適した季節がやってきました。どうしても巣ごもり生活で不足しやすい運動量の解消にも有効なスポーツですので、体形維持や健康増進を目的に是非ランニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
本記事でご紹介した利点や注意点を良く理解し、今年の寒い冬も乗り越えていきましょう!引き続き体調にはお気をつけてお過ごしください。