こんにちは!アウトドアトレーナーの澤田佳奈です。
普段はフィットネスインストラクターとして、主に公共施設でダンスフィットネスプログラムや上に飛ばないトランポリン(ケア・トランポリン)のクラスを担当しています。
今回は、昨年実施した「マラソンクラブ練習会」を開催するにあたって、コースの下見からお世話になった「地元の応援したくなるお店」との不思議なご縁についてお話ししてみたいと思います。
白いライトバンに追いかけられて
前年の2023年に引き続き、2024年も真夏の8月に練習会を担当する事になった私…。さっそく、6月前半の梅雨入り前に下見を開始します。
今回のテーマは「秋月街道」
九州では有名な長崎街道よりも歴史は古く、豊臣秀吉も通った道と言われています。歴史が古いだけあって街道の一部は雑草が生い茂り、かなり荒れている箇所もあります。それが逆に歴史好きな古参メンバーの心をくすぐるものと確信し、ルートの一部に取り入れました。
コースの下見を開始して5分もしないうちに、かつての酒蔵の裏手で「〇〇建設資料館」という看板を目にして足が止まります。

酒蔵の資料でも置いてあるのかな?酒蔵と建設会社とどういう関係があるのだろう?
不思議に思って中を覗きますが、コレといった資料が展示されているわけでもなく、あまりウロウロすると不審者と間違われるので、来た道に戻り、先へと進みます。
すると…。私の後ろにいつの間にか白いライトバンが居て、私を追いかけるようについてきま
す。やばい、不審者に思われたかも…(汗)。足を止めると、ライトバンから一人の男性が降りて来て名刺を渡されました。
「先ほど、うちの裏手に居ましたよね?」
「はい、8月に開催するマラソンクラブの練習会のコース下見中でして…」
「マラソンクラブですか…、ひょっとして〇〇さんとお知り合い?」
知り合いの名前が出て私の緊張もほぐれ、練習会当日に酒蔵を見せていただく約束まで取り付けました。
あとで家に帰って名刺を見直してビックリ!フルネームが、日本では有名な男性俳優と同姓同名。肩書を見て二度ビックリ!なんと社長自ら、私を追いかけて会ってくれたのでした。
実はこの方、江戸期から続く酒蔵の若手社長で、経済的理由から廃業を決意した際、建物の歴史的価値を評価した建設会社から協力の手を差し伸べられ、再建に向けて一念発起したそうです。
練習会当日は社長自ら案内と説明をしてくださり、蔵の歴史から今後の展望まで熱く語られました。

無料で蔵の見学をしただけでも申し訳ないのに、造っている奈良漬と梅ジュースまでごちそうになりました(後日、有志で買い付けに行きました!)。
地元住民のために頑張る酒屋さん
その酒屋さんは新八丁トンネルの手前にあり、私は以前から個人的に練習の休止点として使わせていただいていました。店主が高齢なのか、午前中開いていても午後には閉まっている事がたびたびあり、開いていたらラッキー。
下見当日、運よく開いていたので中に居た奥様とお話する機会がありました。
「8月に10名ほどで伺うのでお店開けておいて下さいね」
とお願いすると、実は足の手術でその時期は入院しているとのこと「主人が店番すると
思うから、あまり期待はしないでね」と言われました。
練習会当日は、午前中に到着したのでご主人がお店を開けて待っていてくれました。お店に着く直前にスコールのような雨に降られ、ちょうどよい雨宿り場所に。
ここは秋月街道沿いにあるのですが、近所は高齢化が進み、買い物に行くには隣町まで車で往復1時間以上かかるため、食料品や日用雑貨等をご主人が配達されているそうです。
午前中は開いているのに午後は閉まっている…、その理由がようやくわかりました。
地元住民のためにも、ぜひ元気にお店を続けて欲しいと思います!
峠に忽然と現れる「大草原の小さな家」
酒屋さんを出てそのまま国道をまっすぐ行けば新八丁トンネル。
しかし、我々は秋月街道古八丁峠ルートを行きます。
練習会当日は朝から雨が降り、途中の川が増水していないか?もしかしたらルートを変更したほうがいいのでは?そんな不安がよぎります。
悩んだ挙句、そのまま行くことにしたのですが、幸い増水するまでの水量には達しておらず、全員無事に通過する事ができました。

秋月街道はさらに八丁峠に向かって続きますが、いったん旧国道に出てそこから林道に入って帰路につきます。
雨も上がり、蒸し暑さが戻って来ました。3年前までは次の休止点に向かう途中に有料の湧き水があったのですが、管理される方が高齢で続けることが難しくなり、閉栓してしまいました。
少子高齢化で後を継ぐ者が居ない、という問題はこういう所にも影響してくるのですね。
湧き水跡を恨めし気に見ながら先へと進みます。同じようなカーブが何度も続き、今度こそ県道に出る、次こそ…と思いながら、ようやく県道に出ました。
八丁峠とは別の峠(白坂峠)のある県道で周りに民家はありません。そんな中「ソフトクリーム」の看板が目を惹きます。峠の県道に忽然と現れる、まるで「大草原の小さな家」のようなソフトクリーム屋さん。

裏の牧場で絞ったジャージー牛乳を使用したソフトクリームは絶品です。
看板犬の秋田犬がお出迎えしてくれました。そして我々を驚かせたのは…このお店のある場所や看板犬のカラダの大きさ、ソフトクリームの格別な美味しさ。以上に、35度を超える猛暑日が続いたのに窓から入ってくる自然の風。
まさにココは…「大草原の小さな家」でした。お店は年配の女性が一人で切り盛りし、愛犬と一緒にお孫さんが居ましたが「この自然の中で育ったあの子が大きくなったら、どんな子になるのだろう」と、クラブのみんなでお店を後にして話しました。
お店は新八丁トンネルが出来て車の往来が減り、おばあさまの代で畳むそうです(後日、このお店にも有志で訪れ、ソフトクリームをいただきました)。

今回、練習会担当者として…。今まで私が通ってきたコース上を、そこにあるお店で線でつなぐカタチとなりましたが、いずれも個性的で素敵なお店&オーナー様でした。
そのお店を圏外(飯塚市&嘉麻市以外)に居住する方々に、ジョグを通じて紹介できて良かったと思っています。そのうちの何人かは練習会後にお店へ再訪してくれました。
少子高齢化が進む中、後継ぎが居ない等の問題もありますが、今後もこのような趣味的な活動を通じて少なからず応援していけたら…と思っています!
みなさんの周りにも、きっと素敵なお店が、隠れたお店があると思います。散歩やジョギングの途中でそのようなお店を発見するのも一つの楽しみだと思います。
寒い季節はあと少し続きますが、暖かくなるこれから、どうぞ皆さん素敵なアウトドアライフをお過ごしください!
