各地方の最高峰をご紹介していく最終回は、深い自然が残り全長約500 kmの脊梁山脈「奥羽山脈」を有する東北地方、そして北海道です。各県のシンボルとなっている山も多くランクインしました。41座目~47座目をご紹介していきます。
標高以上の厳しい環境となる東北・北海道の高山
日本アルプスを携える本州に比べ、最高峰の標高は2,000m強に留まる地方ですが、その環境は厳しいとされています。冬は豪雪地帯となり、海を渡った北海道には固有種である野生動物や植生も在ります。
北海道の標高2,000mは本州の3,000mにも匹敵する高山環境と言われているため、登山へ向かう際には入念な計画と、充分な装備を整えて臨むと良いでしょう。活発な火山が多い地方でもあるため、麓には豊富な温泉が湧き出ています。いつも以上に"アフター"を楽しめることにも注目です。
〔41/47〕北海道大雪山系の主峰が道一位
大雪山旭岳 2,291m
日高山脈や夕張山地など名だたる山域の中でも、ひと際標高が高いのが大雪山系で「北海道の屋根」とも呼ばれています。旭岳はその最高峰で、ロープウェイを用いて比較的簡単に登山が可能です。多くの方に親しまれているいっぽう、強風や低温などの気象条件は厳しく、一層の注意をすると良いでしょう。
〔42/47〕青森県の最高峰は「津軽の富士」
岩木山 1,625m
青森県の最高峰は「津軽富士」ともいわれる独立峰の岩木山。津軽平野や白神山地、八甲田山からもその姿を望むことができます。
夏季は津軽・岩木スカイラインが八合目まで開通し、更に登山リフトも活用ができるため好天時の登頂は容易です。登山に慣れた方が登頂を楽しむのには、由緒ある岩木山神社から山頂を目指す百沢コースがおすすめ。コースタイム往復7~8時間の登りがいのある登山となります。
〔43/47〕田沢湖に浮かぶシンボルが秋田県最高峰
秋田駒ケ岳 1,637m
秋田県と岩手県の県境に位置する秋田駒ケ岳が秋田県の最高峰。日本二百名山の一座で、豊富な高山植物が特徴的。「秋田駒ヶ岳高山植物帯」は国の天然記念物にも指定されています。麓に湧く乳頭温泉は全国的にも有名な温泉郷のため、登山の際には是非合わせて訪れたいスポットです。
〔44/47〕山形県と秋田県に跨る名峰がランクイン
鳥海山 2,236m
山形県の最高峰は秋田県と跨る鳥海山。山頂は山形県に属します。実は秋田県の最高地点はこの鳥海山の中腹ですが、山頂は先に述べた秋田駒ケ岳が最高峰となります。
山頂に至るには様々なコースがありますが、日本海側の象潟から登る「象潟口」コースがおすすめ。中腹にある「鳥海湖」を眺めながら気持ちの良い登山を楽しんでください。穏やかな山容ですが、山頂付近は岩場の多い登り応えのある一座です。
〔45/47〕富士を思わせる雄大な岩手山は奥羽山脈最高峰
岩手山 2,038m
岩手県の最高峰は県の名前を冠する岩手山。東北道や東北新幹線の車窓から、そのひときわ大きな存在感に目を奪われるのではないでしょうか。一時は立ち入りが禁止されていた火山で、天然記念物の焼走り溶岩流を起点とした登山コースもあります。
お鉢巡りを楽しめる点まで正に「富士山」。最高峰である薬師岳の反対側に岩手山神社の奥宮があるため、時間に余裕があれば山頂部は是非一周をしたいところでしょう。
〔46/47〕「宮城蔵王」の屏風岳が県一位
蔵王山屏風岳 1,817m
日本百名山である蔵王山に登る方は、連峰内最高峰の熊野岳(1,841m)を山形県側から目指すのが一般的。しかし「蔵王」の山域は広く、俗に「山形蔵王」「宮城蔵王」と分けられるうち、連峰内第二位の標高を誇り、中核的な存在である「屛風岳」が宮城県の最高峰です。
仙台市街から望める切り立った壁の山容がその名の由来ですが、斜面を変えるとなだらかな道のりで山頂へ至ることができます。蔵王エコーラインの中間地点「刈田峠」からのアクセスが最短で、健脚者であれば熊野岳との縦走を一日で楽しむことも可能です。
〔47/47〕尾瀬を見下ろす双耳峰が福島県最高峰
燧ケ岳 2,356m
「福島県の山」というと磐梯山や安達太良山、吾妻山などが真っ先に思い浮かぶかもしれません。それらの名峰を抑え、最高峰に輝いたのは「尾瀬」の燧ケ岳。見る角度によっては綺麗な双耳峰で主峰の爼嵓と最高峰の柴安嵓に分かれます。登山の際にはこの2つを往復すると良いでしょう。
群馬県側の鳩待峠からのアクセスの場合、距離が遠く山中での宿泊を伴うのが一般的です。福島県側の御池からは日帰りでも山頂を踏めますが、こちらは登山口までのアクセスが最寄りのインターチェンジ等からより遠く、アプローチが悩ましいところ。アクセスも含め登頂までの苦労はありますが、山頂から尾瀬を見下ろす圧巻の景色を楽しんでください。
北日本の美しい山を楽しもう
最終回の東北地方・北海道編、いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した峰に留まらず、秋の美しい紅葉がとても有名な地方です。ベストシーズンに好天に恵まれるには運も必要ですが、その時々にしか見られない素敵な景色を楽しんでください。
麓の温泉地や神社、ロープウェイを活用したハイキングなど「観光地」としての側面が強い峰もあるため、交通アクセスの規制や混雑状況なども良く確認し計画を組むようにすると良いでしょう。また高山は気象の変化に伴い、強度・難易度がぐっと高まることを留意し、簡単な山でも準備を怠らずに望むようにしてください。
※新型コロナウィルス感染症の蔓延状況に依って、営業を停止している山小屋や交通機関もございます。各自治体の発表する最新情報などを適時収集し山行計画を行うようにいたしましょう。
2020年8月23日更新 関東地方編 はこちら
2020年12月27日更新 九州地方編 はこちら
2021年2月14日更新 関西地方編 はこちら
2021年3月21日更新 中国/四国地方編 はこちら
2021年6月13日更新 中部地方編 はこちら
2 レスポンス
[…] 2021年8月1日更新 東北地方・北海道編 はこちら […]
[…] 2021年8月1日更新 東北地方・北海道編 はこちら […]