観光LSDのすゝめ〔三浦半島/横須賀 30km編〕

マラソン大会に向けた効果的な練習方法である「距離走」

長い距離を走ることにおいて、最適な練習方法はまさに「長い距離を走る」ことです。LSDとは〔Long Slow Distance〕の略で、その名の通り「長く」「ゆっくり」「距離」を走ることを指します。

走るスピードは優先度が高くなく、とにかく「その距離を走ったことがある」という経験値を積むことを目的として行われます。マラソン大会での自己ベスト更新を狙う方は、複数回重ねていく中で目標タイムを決め、タイムトライアル走の要素を追加するのも良いかもしれません。

日本アウトドアトレーニング協会では、長時間のトレーニングとなる「距離走」を楽しむ為に、いくつかの観光地を目印（ランドマーク）に設定し、その目的地を辿る「観光LSD」を提唱しています。その定義は以下の通りです。

コースの設定時には休憩のとれるコンビニエンスストアの有無や、離脱ができる駅の有無なども鑑みると良いでしょう。今回は、京急三崎口駅を出発し京急横須賀中央駅に至る、約30kmの道のりをご紹介します（記事の下部に参考マップがございます）。ご自身のトレーニングの参考に是非ご覧ください。

京浜急行電鉄久里浜線の終着駅である三崎口駅へ到着したら、駅前のロータリーに向かって左側へ走り始めます。駅前から三崎街道沿いは畑の風景が広がる気持ちの良い景色です（三浦半島はスイカが名産ですね！）。途中、引橋の交差点を左折しそのまま三崎街道を北進すると約5kmの地点で三浦海岸へと至ります。

三浦海岸からはコンビニエンスストアなども豊富な海岸線の道のりです。しばらく海岸線を走った後、134号線は内陸へと進んでしまうため、野比交差点を右折し北下海岸通りで浦賀を目指しましょう。

浦賀では過去にはペリーが黒船で来航したといわれる港町の風景を楽しむことができます。約15km地点となる浦賀駅前の交差点からは観音崎通りを東に進み、先ほど走った港の対岸へ向かいましょう。

浦賀から観音崎通りを進むと観音崎へ至ります。是非公園内にランニングコースを取り、砲台や灯台、洞窟など歴史・文化に触れてください。曜日や時間帯によっては混雑も予想されるため、場合によっては走るのを一旦停止するようにしましょう。

観音崎海水浴場から観音崎通りに再度合流することができます。再び北進すると道はよこすか海岸通りに変わり、当コースも最終盤です。

よこすか海岸通りを進むと馬堀海岸の長い遊歩道が現れます。見通しの良い南国のような風景を楽しみながら、ゴールを目指してください。この遊歩道を抜けるとスタートから25kmほどの距離です。

その後市街地へと入っていきますが、ルートを海沿いにとり横須賀海軍施設に近い小川町の交差点まで至ってから東京環状道路沿いを折り返すように横須賀中央駅へ向かいます。最短コースで駅に向かうと30km弱でゴールに至ってしまうため、距離に拘る場合は市街地でルートの調整を行いましょう。

さて、今回ご紹介したコースはいかがでしたでしょうか。首都圏からもアクセスの良い身近な観光地を楽しく走り、結果「トレーニングとなっている」状況が作れれば、とても有意義な日となりますね。

国道沿いの歩道が多いコースですが、一部車道を走る個所などもあるため、周囲の安全確認や道路交通法の遵守も良く意識し、距離走を行いましょう！